第92回 うなぎか蚕か
今回は絶滅が危惧されているうなぎについてです。
ドードー鳥の故事
かつて、人類に食べ尽くされて滅んだと目される動物にドードー鳥がいます。大航海時代、長い航海の中、飛ばない大型の鳥は格好の食料だったのでしょう。
日本うなぎの受難
高級食材となっていたうなぎのイメージ。それが安く食べられるという中国養殖うなぎの台頭。スーパーやコンビニ、牛丼チェーン。養殖というのは実際は稚魚を乱獲し育てていただけ。今うなぎが現代のドードー鳥です。
完全養殖できないまま食べ尽くそうとしています。
昆虫食
一方、養殖技術の新たなホープとして昆虫が挙げられています。カニエビに近いと宣伝され奇食からかつての郷土食にさらには常食に変わっていくのでしょうか。
日本の近代化を支えた蚕もそんな食として期待されています。
化学工場として
蚕はタンパク質工場としても有望とされています。実は養蚕に用いられてきた蚕は人の手で改良され家畜化されています。桑の葉を人手で与え続ける代わりに逃げることも飛び去ることも少ないのです。産業として一旦は消えそうな養蚕ですが復活の可能性はあるのでしょうか。
うなぎにとって幸せかわかりませんが死に絶える前になんとか完全養殖で資源回復と天然の保護ができるといいのですが。