第24回 気温から
第24回は都市の気温から温暖化の影響に話ついてです。
東京の気象観測点の移転
「平成26年12月2日に「東京」の気象観測地点を千代田区大手町から北の丸公園へ移転しました。」 そんなニュースが去年末に流れました。 観測値が従来と異なるので補正しますとも。何がそんなに違うのでしょうか。 具体的には今までより気温が数度低くなるそうです。
活動で変わる世界
なぜそんなに気温が違うのか。 ビル街の排熱や蓄熱で気温が高めだったのです。 今度の新観測地は公園。 機器の稼働量がまったく違いました。 なんだヒートアイランド現象で熱くなっていただけで地球温暖化なんて本当なのかなと思ってしまいそうですが。
環境適応の速度
ところが影響は確実に出ており北極圏では夏の期間が長くなり、餓死する白熊がいるそうです。 夏なら餌も豊富だしクマって暖かい時期に栄養を溜め込んで冬眠するのでは。 そう思っていたのですが、栄養の摂り方も生活サイクルも長い冬と氷の海に適応していて色の違いだけではないのです。
白くまが黒くなる時
長い冬のうちにアザラシなどで栄養を摂り氷の上を移動して陸地で短い夏を蓄えだけで過ごす。動いてはいるけど夏の間が冬眠のような状態なのだそうです。氷の時期が短く陸に上がるには遠泳が必要になり夏は長くひもじい。木の実を食べても消費するエネルギーの方が多い。 長い年月をかけて雪と氷の世界に適応した白熊が急に元の熊に戻れるわけではなく絶滅の危機です。
急速な環境変動
観測点がビル街から公園に移っただけで変わってしまう気温のデータですが広域に見ると環境変動はもっと大きな影響を及ぼしている。 観測網を増やして行くだけでなく実際の生き物たちの生活の変化を知ることは必要なんだと思いました。