第149回 棚ざらい
今回は銀塩カメラのブームを支えるある現象についてです。
往年のカメラファンの棚から
どうも銀塩カメラ(フィルムを使うデジタルカメラより前のカメラ)が中古カメラの市場に流れているようです。買取シーンをよく見かけます。
昭和からフィルムで写真を初めてカメラをコレクションしていた層でしょうか。
フィルムの銘柄変化
主要なフィルムの製造中止と価格高騰が上記の層の銀塩カメラ先行きに引導を渡し、ソニーのミラーレスやフジのミラーレスに流れている、あるいはカメラ自体を楽しむ環境で無くなっていることも考えられます。
若者のフィルムブーム
一方で新しい表現として写ルンですのリバイバルブーム、ロモグラフィーや中小フィルム銘柄の、さらに期限切れフィルムまで個性的な写真の手段として銀塩カメラを入手する層のこだわりがアンマッチしているためのようです。
個人所有の美品
在庫だぶつき買取価格の下落に伴ってライカなど中古価格の従来高めだったものは買取が安くなり、記録用ネガフィルムを使うような銀塩コンパクトが高くなる。そんな状況です。
ライカとフジのナチュラクラシカが近い値段で売られていたり、国産プロ用一眼がその半値以下だったりしています。
若者人気は
大きな中判カメラや日付機能付きのコンパクトカメラ、国産の普及機Penやオートハーフに数千円から高くて1万円ちょっとの一眼レフでそれに合わせたカメラ店が前回のお店です。
おじさん世代は前回のクラシックカメラブームで高騰して買えなかったあの機材をこの外観程度の良さで楽しめる一方、修理送り(不具合は案外多い。)もちらほら。相場観の狂いの狭間で右往左往しているのでした。
第148回 若い写真機店
今回は今年2月にオープンしたクラシックカメラ販売、ギャラリーの三葉堂寫眞機店さんについてです。
かつてライカ修理のマスター※がいた街
日暮里の繊維街抜けた先にそのお店はあります。
店長、営業、修理の3人で開店したから三葉だそうです。
元酒屋さんの店舗を自分たちで改装し仕切り壁にレジ/修理カウンターまで備えた開放的な店構えです。
フィルムカメラ中心に
仕入れと限定修理を受けて、さらにギャラリーの貸し出しをしています。
カメラ漫画や小説家、写真家との繋がりも順調に構築し若いカメラ女性ファンも取り込んで滑り出しは順調に見えます。
日暮里駅を挟むと谷中や千駄木、千駄木にはイエロージャケットさんという現像プリントのお店もあります。
メンチカツ頬張りながら
谷中銀座を抜けてく程よい散歩道。スナップ写真を撮ったら現像に預けてカフェでまったりとするか、もう一周谷中界隈をまわるか、根津を巡って戻ってくるかなど楽しみもいろいろです。地下鉄網を駆使して都内巡りをしてもいいですし都電界隈に回ってもいいですね。
東京下町散歩写真。銀塩カメラが似合います。
※フォトメンテナンスヤスダ
第147回 猛暑日
週明けてから暑い日が始まりました。
今回はそんな気温についてです。
推奨動作温度を軽く超える車内
マイカーで買い物やレジャーに出かけた時にカメラバッグやお子さんペットを車に放置するのは危険です。
40度ぐらいが高温側ですが、60度などにすぐなります。
昔、カセットテープやケースがぐんにゃり曲がった経験は(歳がばれます)。
クーラーボックスでカメラを輸送
先日見かけた工夫としては市販のクーラーボックスでカメラを守ろうという試みでした。効果の程は明らかではないですがむき出しで車内放置よりは良さそうです。緩衝用にウレタンも詰めて車体の揺れや振動の影響も弱めていました。
滑り止めマットがあるとトランクや荷台で踊らなくなりそうです。
車載機器の大変さ
近頃は衝突防止やドライブレコードのためにカメラが付いていますが、そんな気温になっても正常に動作させるのは大変そうですね。
夏のレジャー思い出残すカメラやスマホを放置しないように気をつけたいものですね。
第146回 紫陽花の季節
今回は見頃の紫陽花について。
アジア、欧州、アジア
日本に自生していたガクアジサイが起源で、ヨーロッパで改良された園芸種ハイドランジアなどとして逆輸入されて今のまあるい花になったそうです。
高幡不動尊のヤマアジサイ園では園芸種だけでなく原種に近い小さなヤマアジサイもいろいろ見ることができるようになっています。
雨降りには
足下気をつけないと山に植えてあるので危ないからか、境内の歩きやすい石畳脇にもヤマアジサイを植えて足元に不安のある方にも見られるようになってきました。今年は園芸種の剪定をしたのか少しボリューム感を抑えた花付きでした。
雨が似合う
日差しの下ではしおれがちなので、雨降り、雨上がりが紫陽花の見どころですね。自宅の紫陽花はアジサイハバチにやられて花の付きもイマイチでした。
来年は枝ぶり戻して綺麗に咲いて欲しいと思います。
傘を持って防滴防塵カメラで撮影に出かけるのも楽しいです。
第145回 アナログ
今回は久しぶりに中判カメラを使ってみたのでそのお話です。
ワンショット250円
大体のお値段ですがフィルム、現像、データ取り込みのフローでこのお値段でした。現像とデータ取り込みで2時間ほどの都内でも珍しいブローニーネガ自家現像のお店でした。一般のカメラ量販店だと値段高めでさらに週単位になることを考えると是非続けて欲しいお店です。
デジタル中判だと
ボディーで50万レンズで10万(中古)ぐらいかけたとして機材差額50万ぐらいですので2000ショット。フィルム200本使うと元が取れる計算になります。膨大なデータを保存する手間を考えてもアート目的以外ではデジタルになるのもわかります。
LPを聴くように
ですから、データ化しても残るフィルムっぽい表現に価値を感じられるか、ネガやポジの実体の手触りを感じるかといった価値を評価できるかということになりそうです。この辺りはアナログレコードの復権の流れとも繋がりそうです。
6×7判や6×4.5判までは過去に使っていた(当時は現像も安くて早かった)復刻ですが、未経験のシートフィルムまで行くのかどうか。懐かし一眼から始まったアナログの道はどこに歩んで行こうか。週末撮影が楽しみです。
第144回 試作
今回は先日お聞きした講演会から試作についてです。
量産しないエンジニア
会社生活そこそこ長いのですが量産品の開発に関わったことがありません。学生時代も試作品。試作品で論文、試作品で特許。
先日お聞きしたのは何百万台も量産されるカメラのお話でした。
どうしてもスマートに解決できない
試作段階で解消したけど、スマートな解決法ではなかった時、製品に問題がなければリリースする決断も必要だなと思いました。それから20年のロングセラー。今でも、快調に写真が撮れています。
要望に応える
試作からお客さんに回ることもある。このタイプはありましたね。評価結果は好意的でした。諸々の事情で世の中には出なかったのですが、というものもたくさんありそうで興味深いお話でした。
シミュレーションだけでなく試作のワクワクがあります。しかし、コストを考えると今の時代は難しい。
紙モックで思いを馳せます。
第143回 ロングセラーの価値
今回は10年越えて売られたカメラについてです。
20年
ニコンF3は1980年から2000年まで製造が続いたロングセラーでした。
今でも中古が手に入り去年まではメーカー修理も出来ていました。
商品のライフとして35年と少し使い続けられたというのはすごいですね。
12年
その後継機F6がグッドデザイン賞ロングライフデザインを受賞しました。メーカー修理もまだいつまでと期限は切られていないようです。
その他の銀塩一眼レフは2019や2020まで修理を継続予定のようです。頑張って欲しいです。
マウントが10年
フォーサーズは2003年から10年でマイクロフォーサーズに統合になりました。
ミラーレス技術の進歩を加速したマイクロフォーサーズは後どのくらい頑張れるのでしょうか。
ここにきて増えてしまった銀塩カメラを整理しつつあれこれ考えている夜でした。