第170回 AF(オートフォーカス)

本格的なAF(自動焦点)一眼レフとして1985年に発売されたカメラを使う機会がありました。今回はそんなお話。

肥大化してない一眼レフ

このカメラとの差別化を狙ってフラッシュをつけたり、高速連写を狙ったり、プロ機に組み込んだりと上級機は大型化の道を歩んでいきます。
手のひらに包まれるコンパクトサイズは美点です。
コンパクトなレンズも実現していて高画質でした。今でも高値で取り引きをされているレンズも中にはあります。

しっかりしたボディー

このサイズですが小型で高品質。強度が必要なパーツはきちんと金属製です。後年のプラスチック化でことごとく壊れているポイントが金属です。ストラップ環もフィルム巻き戻し軸も。マウント金具も。

大ヒットの本質は

凝縮感がしっかりあってモーター内蔵一眼レフとして小型軽量。ファインダーも見やすくフルモード。アクセサリーも豊富だったのですからAFの話題性だけでなく実力的にも選ばれる理由があったんだなと思いました。

大手電子部品メーカーの特許さわぎがなければ、この高品質感を維持した後継機になっていたのではないかと空想するのは虚しいですね。

第169回 変化点

デザイン思考の限界点が提唱されてから5年。日本ではワークショップ花盛りのようですが、役立っていますか?

事業としての実現性
デザイン思考のプロトタイプ検証はちょっとした改良には向いていると思います。躊躇なく検証サイクルを回せばユーザーの気づきを、あるいは開発者のひらめきを検証修正できるから。
ただし、新領域のビジネスなどでは実際のプロトタイプサービスを実地でやることが求められます。

プロトタイプ事業を回せるか

今や大手SNSFacebookも元は大学の交流サイトですし、まずは小さく初めて広告収入に結びついたのが出発点でした。Googleの検索サイトはブックマークしていないと使えない一サイトでした。最初に長大なブックマークリストを不要にしてここまで来ています。

失敗というより発見

失敗してしまったところには事業として回らなかった原因やそこに顧客の潜在ニーズを満たせなかった何かがあるはずです。それを見つけて仮説を修正していかないといけません。
ここをやらせてくれる風土があるかどうか。きっと新しいビジネスを発見できるというポジティブさを維持できるか。

探しものは何ですか?

第168回 フラッシュバック1995

今回はその頃のフラッグシップカメラとサブカメラを使ってみたのでそんなお話を。

当然フィルム

カシオQV-10が出たぐらいでまだ写真はフィルムだった頃なので感材はフィルム。どの機種でもフィルムとレンズを共通にすれば良い時代でした。なので重さや価格でサブ機を選ぶ時代。

メーカー別の例

ニコンではF4をメインにF90Xをサブカメラに。キヤノンではEOS-1NをメインにEOS630をサブカメラに。ミノルタではα-9をメインに前の上位機α-9xiをサブカメラに。そんな時代もありました。

操作系の違い電源の違い

意外と操作系の違いは大きくて本当にこれで併用するのかなという思いもあります。
電池もこのころはニッカド電池パックの上位機と使い捨てリチウム電池の普及機など。この時代は本体のボタン電池とモータードライブの電池ということは少なくなっていますから少しはシンプルになったのですが。

時は経ち

デジタル一眼の時代はというとあまり進化してません。しかも絵作りの差もあるので揃えたければ同一機種複数台の方が現場で混乱しなくて良さそうです。
ストラップの色変えたりして区別します。
デジタル一眼2台と思うとミラーレスの小型軽量が欲しくなります。

第167回 リメイク

先日、シン・ゴジラが地上波初放送でした。つい最後まで見てしまいましたと書きたいところですが途中で切り上げてしまいました。

劇場体験ができる

というのはリメイクは新作として多くの映画館で公開されるためです。リバイバル上映は限られた期間ですから。今回地上波放送より睡眠優先したのはスマホの小さな画面で見ているのがもったいなくてというのもあり、また畳み掛けるような演出がCMで中断されて一気に最後まで走っていく感じが得られなかったからかと。劇場で映画が観られるありがたさ。
シンゴジラについては巨大な生物が東京を襲い、ヒトがそれに立ち向かう筋書きで1984年版に続くものです。

リメイク&完結

はいからさんが通るモスクワオリンピックのあおりでテレビシリーズ打ち切られていましたが、ようやく劇場版前編でリメイク分が公開。来年の後編が楽しみな作品でした。
当時の風俗、1970年代の原作の頃の時代背景も飲み込んで劇場版として公開されたことは意義があります。
原作マンガを少し読み返して見ましたがよく再構成しつつ大正と昭和を終わりゆく平成のアニメーションクオリティで表現していました。

リメイクの成功例もあれば失敗例もあります。オリジナル以上に長く記憶に残る作品が増えるといいですね。

第166回 いつまで使えるか

今回は前回の素材のお話も絡んでくる製品の耐用年数についてです。

ライカは長持ち?!

製造が70年以上前でも動いて写真が撮れるというのは確かにすごい。メンテナンスと保管方法の良さなどもあるのでしょうし金属部品が多く前回話題にしたプラスチックやゴムの使用も少ない。分解を前提とした構造になっているなどもあるでしょう。ただコレクションでメンテナンスだけお金をかけられていたものが残ってるというのもあると思います。

20年前のプラスチックカメラ

さてこちらはどうかといえば分解は前提にしていません。ねじ止めなら外せるなら分解できると思いますがタッピングネジでネジを切りながら止めてあれば一回外したら初期の止める力は無くなってしまいます。
厳密には金属のネジ穴でも一度使ったビスは使わないのです。
さらに接着、溶着、両面テープと分解整備に向かない接合が多くなります。

作り手の設計

使用頻度と年数が設定されコストも下げることが要求されます。
外装のプラスチック整形のついでにストラップ取り付け部を入れとけば部品減、しかもたくさん作れます。ファミリー向けだからそんなに重いレンズは使わないとか、せいぜい使っても5年とか考えて作られているものも多いのです。
シャッターも回数は決まって設計されてますし時間で劣化する部品が悪さをすることもあります。
中には使い心地、触り心地のために付けられたゴムグリップなども補修のきかない部品になったりします。

大量生産でなくなった時に

製品の耐久度はどう考える?
故障の対応方法は?
故障交換品ストック?
パーツストック分のコストを薄く広く転嫁する?
修理部品をオンデマンドで作る?
製品企画の力が問われそうです。

第165回 プラスチックカメラ

今回は、外装や小さな部品から中身まで銀塩カメラはプラスチック化で軽量化という道を歩みました。というお話です。

金属で重い

これを樹脂にしたら軽くなる。ということで、古くは主に普及カメラでベークライトなどをカメラの芯に使っているものがありました。
一方、高級カメラだったレンジファインダー機や一眼レフ機は鉄からアルミダイキャストへと進みます。

一眼レフ機は精度が大事

レンズからの光をミラーで反射してファインダースクリーンに投影する距離とミラーを跳ねあげた時に同じ距離でフィルム面に像を結ぶことが必要です。レンズのフランジ面とフィルムを送るレールも平行で距離も正確さが求められます。
なのでこの部分は金属でしかも組み立ての最後にフィルムレールを精密切削してました。

デザインの自由度

外装のプラスチック化は1980年代にどんどん進みます。
細かな凹凸、自由な曲面などガンダムのプラモデルのようなカメラが普及機からフラッグシップまで席巻しました。
それでも中身は細かな部品はプラスチック化しましたが芯となるのは金属のフレームでした。意外と持ち重りするのはこれとモーターが大きめだったからでしょうか。

1990年代に変化が
樹脂を成型するときに金属を入れ込んで綺麗につなげることが出来ました。
今までフィルムを入れたり巻き上げていたスペースのプラスチック化が進みます。さらに普及と大量生産ならフレームもプラスチックでとなりました。
レンズ付きフィルムと並走するように一部のプロ機以外フィルムレールも黒いプラスチックの一眼レフが出てきます。

さらにレンズのフランジ面もプラスチックになったのです。

その後、デジカメ、携帯電話のカメラ、スマートフォンへ写真を撮る道具はこの10年で変わってしまいました。スマートフォンのフレームが金属でかつての高級一眼レフの価格帯(物価上昇はあるにせよ)感慨ぶかいものです。

第164回 贈る言葉

今回は5年前に亡くなったあの人に。

なんとか元気にやってます。

あなたの命を削った治療より良いものを探しています。

まだ答えは見つかりません。

苦労するのは生者の仕事。

どうぞ安らかに。