第165回 プラスチックカメラ
今回は、外装や小さな部品から中身まで銀塩カメラはプラスチック化で軽量化という道を歩みました。というお話です。
金属で重い
これを樹脂にしたら軽くなる。ということで、古くは主に普及カメラでベークライトなどをカメラの芯に使っているものがありました。
一方、高級カメラだったレンジファインダー機や一眼レフ機は鉄からアルミダイキャストへと進みます。
一眼レフ機は精度が大事
レンズからの光をミラーで反射してファインダースクリーンに投影する距離とミラーを跳ねあげた時に同じ距離でフィルム面に像を結ぶことが必要です。レンズのフランジ面とフィルムを送るレールも平行で距離も正確さが求められます。
なのでこの部分は金属でしかも組み立ての最後にフィルムレールを精密切削してました。
デザインの自由度
外装のプラスチック化は1980年代にどんどん進みます。
細かな凹凸、自由な曲面などガンダムのプラモデルのようなカメラが普及機からフラッグシップまで席巻しました。
それでも中身は細かな部品はプラスチック化しましたが芯となるのは金属のフレームでした。意外と持ち重りするのはこれとモーターが大きめだったからでしょうか。
1990年代に変化が
樹脂を成型するときに金属を入れ込んで綺麗につなげることが出来ました。
今までフィルムを入れたり巻き上げていたスペースのプラスチック化が進みます。さらに普及と大量生産ならフレームもプラスチックでとなりました。
レンズ付きフィルムと並走するように一部のプロ機以外フィルムレールも黒いプラスチックの一眼レフが出てきます。
さらにレンズのフランジ面もプラスチックになったのです。
その後、デジカメ、携帯電話のカメラ、スマートフォンへ写真を撮る道具はこの10年で変わってしまいました。スマートフォンのフレームが金属でかつての高級一眼レフの価格帯(物価上昇はあるにせよ)感慨ぶかいものです。