第91回 新しい作り方 新しいデザイン

今回は東京大学 山中研究室のこの展示会から。

http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2016/

スケッチを形に
二十数年前、折しも同じようなプロトタイピングを糸鋸と万力とヤスリで行っていました。
当時は小さな空間の作業ロボットへのサプライを支援する補助ロボットの試作でした。この時、手書きのプレート形状をアクリル板に転写してノコとヤスリで仕上げました。精度が必要な軸や接合のネジ穴はデジタルスケールのついた定盤上のけがき機で寸法出ししました。
後から2次元CADで設計し直しアルミ素材で作り直しました。

今回の展示ではスケッチをもとにコンピュータ上でリファインし干渉を検証してレーザーカッターで思いのままにMDFを切り出していました。

試行錯誤の回数も試作の回数もそう変わらないはずですが手間は減っていそうです。

知的なモジュール
かつてはちょっとしたものを動かすにはシーケンス回路をロジックICで組んでいました。当時高価だったトランスピューターは本体ロボットで手一杯でした。
今回は、秋葉原で数百円で買える距離センサと数千円のマイコンボードで動いていました。

3D CGを一体で
出始めの3D CADの機能は結局2次元図面の取り合い確認をすることが精一杯でした。図面も旧来の加工指示を与えるため部品図にバラして作り直していました。

今回の展示では組み合わせた部品を3D CGで造形しそのまま3Dプリンタで一体造形していました。後からの組み立てを考えないというデザイン。パラダイムシフトを強く感じました。

制約のシフト
これはまさに制約のシフトで製作法が変わればデザインも変わることを体現していました。たわみを素材形状で制御する素材では入れ子状になった網状の球体や立方体をそのまま造形していました。
まさに新しい構造を編み出していました。

想像を形に
従来は頭の中にだけあった想像上の形状が手に取れるようになる。
そんな時代にこの二十数年で進化したのだなという実感を得た展示会でした。