第45回 探査機と物語
今回は、アメリカのニューホライズンズの冥王星観測から、探査機と物語のお話です。
ひまわり型
地球の周回軌道を巡って雲の画像を送ってくる気象衛星ひまわり。
日常に繰り返す出来事を描くサザエさんやドラえもん的な物語でしょうか。
はやぶさ型
目的地に行き帰ってくる物語。
西遊記でお経を受け取りに行くような形でしょうか。
道のりには様々な苦難が。
本当はトラブルなくミッションをこなしたいところですが。
パイオニア11号型
今回のニューホライズンズやボイジャーのように永遠に近い旅の過程で一瞬の出会いをする。
帰ってこない諸国漫遊物語。
常に新天地を目指す、読み手が一生を終えても飛び続けるのです。
キュリオシティ型
目的地に伝説の記念碑として残るような物語。
地上に軟着陸した火星探査機のように静かに眠りにつく。
姿は保ったままに。
いつか遺跡として発見されることも。
かぐや型
日本の月探査機かぐややNASAの水星探査機メッセンジャーのように役割を果たして目的地に突入して劇的な死を迎えるような物語。旅の果てに果て逝く。
英雄譚の多くのように。
宇宙の探査機や衛星のような宇宙機に物語性、感情移入しやすいのはミッションというシナリオの上に普遍的な物語性がついてくるからかもしれませんね。