第22回 加速し始めた電子書籍

第22回は電子書籍についてです。電子ブック端末と媒体が立ち上がっては消えていく、というのをこの20年ぐらい見てきました。
今度こそとの想いです。

角川とドワンゴ統合
出版不況と言われつつ大量の新刊が生まれては消えていく中、たくさんの出版レーベルがあります。系列ではあったもののバラバラに活動していた角川系のレーベルがKADOKAWAに集結したと思ったらニコニコ動画ドワンゴと経営統合。
電子書籍化と記念キャンペーンでグッと電子書籍のタイトルが増えた気がします。

岩波も動いた
そのような中、老舗でお堅いと思っていた岩波書店電子書籍を発表。
伝統のコンテンツの電子化が定番として定着すると嬉しいです。
また古い作品の現代語訳などの独自拡張があると嬉しいなと思います。さてどうなっていくでしょうか。

電子雑誌化への動き
SFマガジンというサイエンス・フィクションを扱う雑誌は日本では老舗です。
月刊で700号を超えています。
今年2015年に隔月刊化されるというニュースが流れました。寂しいことだと思っていたらクリエーター向けの配信サービスCAKESで週間で記事配信。こんな流れも始まりました。
有料化なのか書籍データへの入り口としての役割か。うまく立ち回れるといいなと思います。

絶版図書館から
マンガを中心に出版社で絶版になった作品を公開するサイトもできました。作者が出版社と折り合いをつけて読めるように公開しているのです。
入手困難な作品を読めるようになって、さらにKindleなどでの有償配信にも広がり作家の方を支援することもできます。

紙と電子
思い入れの強い作品は紙の本でも電子出版でも持っていたいというファン心理はどこでも読めるという電子書籍の便利さもあって重宝します。
同じ本でも何度も読みますし、読みたいときに読めるという価値が浸透してきているようです。

手仕事の行方
では紙の本はというと手仕事の製本とその姿形の工夫で生き残る道もありそうです。小さな絵本を自前で製本して頒布する同人誌としての流通形態などもNHKで紹介されていました。作家の手渡しで自作を売る。グッズなどを絡めた漫画家の動きなどもありますね。実体を活かした作戦です。作家本人がお元気な間は自作の配信許諾やこうした本人の手売りという流れがありますが問題もあります。

著作者行方不明
亡くなられて縁故者もいない。出版社が潰れたし作家も引退してどこにいるかわからない。この作品の権利はどこに行ってしまったのか?
そして、著作権非親告罪化と米国からの期間延長(なんと死後70年!)要求。
過去の作品を読みたくても読めない、そもそも流通しない。電子データは貸借りできない。袋小路に陥ってしまう可能性も高いのです。

作者に利益は正しく還元され読者は読む機会を奪われない。そんな未来を残すのにはどうしたらいいのでしょう。電子書籍化の節目に気になることです。